その2:DELLのマザーを動かす

湘南通商で購入した、DELLのマザーを動かすために、今回も調査開始です。


まずは特殊な電源コネクタから攻める

今回購入したマザーボードは2枚です。
1枚目は、ビデオ(ATI RAGE3DPRO)とLAN(INTEL 82558)がオンボードのSLOT1マザー、2000円也。
2枚目は、サウンド(YAMAHA YMF724)がオンボードの同じくSLOT1マザー、3000円也です。

DELLのマザーは電源が特殊なので、まずはこれを通常のATX電源で使用できるようにするために
変換コネクターを作成することから始めます。

結線図は下記の<参考資料>を見てください。

これを作成するためにATX電源の延長ケーブルとAT電源用コネクタとその端子部を購入して早速作業開始です。
まず延長ケーブルのオス側のコネクタからすべての端子を引き抜きます。
今回はMOLEX専用の引き抜き工具がありますので、それを使用しますが、もし専用の治具がない場合には、
0.8mmのマイナスの精密ドライバーを使って引き抜くことが出来ます。まず端子とハウジングの間にドライバーを
突っ込んで左右の小さなツメを内側に曲げます。端子部はまた戻さなければなりませんので無理に曲げてはいけません。
ドライバーをクリクリ回しながら丁寧に作業するようにしてください。うまく両側のツメが内側に曲がっていれば、ケーブルを
引っ張ると簡単に抜けます。これがなかなか難しいので、何度かやってコツをつかんでください。。
すべての端子が抜けたら、湘南通商でもらった電源コネクタの表を見ながら、再度それに合わせて戻していきます。
(湘南の表の20ピンはGNDになっていますが実際は+5Vが正しいのでご注意ください。)
このとき端子部のツメが内側に曲がってしまっていますので、ちょっと外側に修正してやります。

この作業が面倒なら延長ケーブルを途中で切って、繋ぎ直してもOKです。
今回は見栄えが悪いので面倒でもこの作業を行いました。

次は3.3Vラインの小さなコネクタの作成です。
こちらはATコネクタ仕様ですので、その端子に圧着工具を使ってとめていきます。
これも圧着工具がなければ、ハンダゴテを使ってハンダ付けしてしまえばOKです。
GNDは規格上は3本ですが、今回は2本のみとしました。基板上は3本ともショートしていますので問題なしです。
終わったら端子をコネクタにセットして終わりです。


オープンバレル端子用の圧着工具

モレックスの引き抜き工具

圧着後の端子

ピンを引き抜いた後の様子

コネクタの接続

コネクタがメーカー品と異なるため、接続にちょっとしたコツがいります。
1)6P側のコネクタを45度傾けた状態で爪を引っかけるようにします。
2)そのまま爪が引っかっかた状態でコネクタを立てて挿入します。
3)20P側は向きに気を付けて普通に装着すれば完了です。


火入れ式

まず被害を最小限に抑えるためCPUのみ差して電源を入れます。
ピーピー音がしますのでとりあえず何か動いている様子です。
DIMM搭載し、ジャンパーをコンフィグ側にセットして再度電源ON、画面にDELLのロゴがでかでかと出ます。
その後、BIOSでCPUの倍率(速度)を入力する画面になりました。とりあえず、差している266を選択して、他の画面へ
BOOTに関するものがありましたので、そのなかでBOOT時の画面の設定を[Enable]にして、SAVE&EXITします。
すると、電源を切ってジャンパーを通常の位置に戻せと言っているのでそのとおりにする。
再度電源ON、無事に立ち上るようです。モデル名も表示しています。”V266”だそうです。
BIOS設定でさっきのデカDELLロゴは出なくなりましたが、そのかわり通常のBIOSの立ち上げ画面が見れます。
その調子でもう一枚のマザーも起動してみると、こちらは、”XPS T266”だそうです。


パネル用のコネクタも特殊?

これも通常のパネル用のコネクタとちょっと違うようです。
PS-ONはシルク印刷があるのですぐに分かりますが他は記載がありません。でも近くに本来コネクタが付くであろうところに
シルク印刷がありますので、テスターで調べたらほとんど同じであることが分かりました。
詳しい内容は下記の<参考資料>に記載します。


Cappermineの対応は?

その1でも紹介した方法で調査してみました。
まず、Vシリーズは、正常に1.70Vを出力を確認。しかし、Celeron733+ABITのslotKET!!!を乗っけてみると
うんともすんとも言わないのである。
色々とやってみたけど分からないで、もうだめかと思いながら、AOPENのPPGA用ドーターカードで挑戦すると
な、な、なんと正常に動作するではありませんか。こんなところでドーターカードの相性に悩まされるとは...。
でもBIOS表示はPentiumPro700MHzとなっている。←まっ、いいか。
つぎは、Tシリーズ、こちらも正常に1.70Vを出力してます。ABITのドーターカードでは上と同じくだめでした。
AOPENのもので正常に動作します。こちらはPentiumPro733MHzの表示がでます。
モデル名の後ろの数字は動作クロックのようです、今回の起動で”T733r”となりました。でも”r”ってなに?
どちらもWIN98が正常に起動し動作することを確認しました。


<参考資料>

ATX規格
+3.3V 11 +3.3V
-12V 12 +3.3V
GND 13 GND
PS-ON 14 +5V
GND 15 GND
GND 16 +5V
GND 17 GND
-5V 18 PowerGood
+5V 19 SB+5V
+5V 20 10 +12V
DELL規格
PS-ON 11 +5V
GND 12 GND
GND 13 +5V
GND 14 GND
-5V 15 PowerGood
+5V 16 SB+5V
+5V 17 +12V
+5V 18 -12V
NC 19 GND
+5V 20 10 GND
DELL規格
GND
GND
GND
+3.3V
+3.3V
+3.3V
結線図
ATX DELL
11 小4
12
13 小2
14 11
15 12
16 13
17 14
18 15
19 16
20 17
ATX DELL
小5
小6
小3
10
Vシリーズのパネル用コネクタ
HDD-LED+ PW-LED+
HDD-LED- PW-LED-
RESET-SW PW-ON
RESET-SW PW-ON
IR 10 NC
IR 11 12 SP
IR 13 14 ピンなし
IR 15 16 SP
Tシリーズ用パネルコネクタ
HDD-LED+ PW-LED+
HDD-LED- PW-LED-
RESET-SW PW-ON
RESET-SW PW-ON
IR 10 SLEEP
IR 11 12 SLEEP
IR 13 14 ピンなし
IR 15 16 NC

Last Update : 2000.12.21